第30回巨峰の丘マラソン(20kmの部)

真夏のメロンマラソンからひたすら走りこみ、8月は290kmの練習となった。
真夏に厳しい練習を繰り返すと、体内に熱が溜まり、内臓が疲労し体調を壊す原因になってしまう。
走った後は、脚の関節だけでなく、首周りと後頭部を冷やし、涼しい夜をメインに走り込んだ。

メロンの次なる大会はブドウ!っと叫んでエントリーしてしまった。
山梨県で行われるマラソン大会は数多くあり、エントリーした後に見たのが、今月行われるぶどうの丘マラソンだった。コースも急な坂道はあるけど記録が狙える!って喜んだが、ランネットから届いた案内文を開いて絶句。
高低差300m!最高地点の標高は800m!辛かった伊豆大島の悪夢が蘇った。
大会パンフレットには「人はなぜ、この厳しいコースを走りたがるのか…」の文言が。
いやいや、走りたがってませんから!

無様な走りはしたくなかったから、多摩丘陵の尾根幹線道路を練習コースにした。
平均勾配5%の坂が約7km続く尾根幹。今回の大会には絶好の練習コースだか、標高が低いので心肺を鍛えるには役不足
標高1000mにある山中湖を一周走ったときは、普段のペースよりかなり苦しかった。
急坂を登るときのフォームは、地面を蹴らずに膝が前に出る走り方が脹脛を痛めない。
しかし、20kmと30kmの練習をして、かなり脹脛を痛め、その影響で膝裏まで痛みが溜まってしまった。
数日間休養して、ペースを落とさずに短い距離を走り込んで調整した。
目標タイムは、公認コースでなく距離が不明なので、平均ペース4分40秒とした。


前日までのぐずついた空模様から一転。
週間天気予報も大会日に近づくほど良くなった。
早く寝た訳ではなかったが、不思議と目覚ましが鳴る前に4時に起床。

朝食はいつものコーンフレークとフルーツグラノーラを多めにしてミルクたっぷり注ぐ。
二つの小さなスコーンにブルーベリージャム。
明治ブルガリアヨーグルトのピーチ。
熱いコーヒーを飲んで、まだ真っ暗な夜空を見ると、南東にはオリオン座が光っている。
今日は絶好のマラソン日和に間違いない。

自転車で旅ランする予定だったが、生憎仕事が忙しくてトンボ返りすることに。
走る格好の上にジャージを着てラパンで出発。
真っ青な空に真っ黒な富士の高嶺を見ながら、順調に中央高速を走る。
7時にインターを降りて、近くのコンビニでチーズケーキを食べて糖分と脂肪を補給。
会場近くには駐車場も多数あるが、到着時間が早いにもかかわらず既に満車の看板。
仕方ないから会場から歩いて10分の所に停めた。
キツイ坂道を登って受付会場まで歩いた。まさかこんなキツイ坂を走るんじゃないだろう!?

畦道に咲いていた彼岸花も真夏の日差しでぐったり。

ブドウ会場の風景





なんか背負っている。薪??



受付を済ませて、念願の巨峰の箱ゲット!二房入っている。重い!!
これ目当てにエントリーしたんだよ(笑)
なんでも、人気がある大会らしくエントリーもすぐに終了になったとか。

駐車場まで戻って朝刊を読んで時間を潰す。
なんだかとんでもない大会にエントリーしてしまった。

ジャージを脱いで坂道を軽く走ってみる。こりゃたまラン急坂!
再び会場に入り、ランニング仲間の女性と合流。
久しぶりにお会いできて嬉しかった。
かなりスマートになって、最近はマラソン大会に多く参加しているとのこと。
彼女は10kmの部に参加。
坂だし暑いし標高も高いし!無理しないように楽しく走りましょう♪って体育館の中でおしゃべり。

先に20kmの部がスタートするので、一旦彼女と別れ、坂道を腿を上げながら軽く走る。
暑い。。。

スタート位置は前から3列目?
周りを見ると女性ランナーは少ない。
身体を動かしながら号砲を待つ。
今日は本気で走るつもりは全くない。無理をしない。そんな気持ちでスタートした。

いきなり下りの急坂になって、一気にペースが上がるが、その先が徐々に上り坂となり、どんどんペースダウン。
多くのランナーに抜かれるが、なんとか目標のペースを維持してまた急な下り坂に。
上っては下りの繰り返しで、突然、壁のような坂道が見えてきた。
つま先で蹴らずに、太腿の力だけで力強く登る。
呼吸がかなり荒くなり、ペースを見るとキロ6分台まで落ちた。
後方から速いランナーにどんどん抜かされたが、下り坂で巻き返す脚力を維持したいから、ペースが遅くても焦らないようにした。
標高も高くなって、見渡す風景もとても素晴らしい。
ブドウ棚の向こうには、南アルプスと富士山が見える。
したたり落ちる汗が目に入る。

坂だらけなコースなので、どの地点で撮影されたか不明

ようやく折り返し地点が遠くに見えてきた。笑いが止まらない。
温存しまくっていた体力を振り絞り、折り返しのブドウ畑に向かって加速させる。

下り坂はジェットコースターのように駆け降りる。ストライドを狭くして脚の回転を速くさせた。
着地時の衝撃音が心地良い。

数人のランナーを抜き去り、次の坂は勾配10%以上あるような急坂。
更に加速のスウィッチが入り、時計を見るとキロ3分10秒に目が点になった。
転倒してしまったら、転げ落ちて大怪我することに違いない。
そんな恐怖感もあったが、このスピード感は楽しいの一言。
このまま一気にゴール地点か?と思ったが、そんな甘い大会ではなかった。

いきなり←の看板。
その先はまた上り坂!
下りも多少のアップ・ダウンがあるコースとは知っていたが、ここまでサディスティックなコースだったとは!!
誰だ!こんなコースにしたのは!

気持ち良い下り坂もあっという間に終わって、ブドウ畑の中の上り坂をせっせと走る。
下って上って、噴き出る汗を重くなったリストバンドで何度も拭う。

沿道の声援も多くなって、「もう上り坂はないから頑張れ!」って叫ばれたが、まだ上り坂があり心が折れそうになった。
ホースで水を掛けてもらい、後2キロの看板が見えたところでスパート!のつもりが、前走者との距離も離れてしまい、後方のランナーもいなくて張り合いがなく惰性でゴール!

ゴール手前

目標のペースには届かなかったが、秋のフルマラソンに向けて、脚を傷めず良い練習になったと思う。

先に10kmレースでゴールした女性に祝福して貰った。
彼女は喘息持ちにもかかわらず、この標高の高い厳しいコースで無事に完走した。
気温も高く、平地でのレースとは比較にならない辛さだったと思う。
知り合って一年かな。初めはキロ7分で走るのも辛そうだったけど、それを上回るベストタイム。
辛く苦しい経験をしたとしても、終わってみれば楽しかった想い出なんですよ。
仕事もマラソンも同じ。
これからも色々な経験を積んで成長して欲しいですね。



会場のすぐ近くの温泉に入り、甲州名物のほうとうで空っぽになった胃袋を満たす。


走行記録(標高をクリックすると高低差が分かります)
https://go-wellness.epson.com/neo-run/user/view/shareWorkout.html?shareId=129041025499403000000000000

この大会は30回も開かれている。なんでこんな苦しいコースなのに??
先月のメロン大会と比較すると、ブドウもそんなに多く食べれなかった。
参加賞で貰える巨峰の魔力か。
余りにも辛すぎて来年はこの大会ではなく、10月に行われる「ぶどうの丘マラソン」にエントリーしたい。
と書きながらまた懲りずにエントリーしたりして。

甘くて美味しかった^^