真夏のメロンマラソンからひたすら走りこみ、8月は290kmの練習となった。
真夏に厳しい練習を繰り返すと、体内に熱が溜まり、内臓が疲労し体調を壊す原因になってしまう。
走った後は、脚の関節だけでなく、首周りと後頭部を冷やし、涼しい夜をメインに走り込んだ。
メロンの次なる大会はブドウ!っと叫んでエントリーしてしまった。
山梨県で行われるマラソン大会は数多くあり、エントリーした後に見たのが、今月行われるぶどうの丘マラソンだった。コースも急な坂道はあるけど記録が狙える!って喜んだが、ランネットから届いた案内文を開いて絶句。
高低差300m!最高地点の標高は800m!辛かった伊豆大島の悪夢が蘇った。
大会パンフレットには「人はなぜ、この厳しいコースを走りたがるのか…」の文言が。
いやいや、走りたがってませんから!
無様な走りはしたくなかったから、多摩丘陵の尾根幹線道路を練習コースにした。
平均勾配5%の坂が約7km続く尾根幹。今回の大会には絶好の練習コースだか、標高が低いので心肺を鍛えるには役不足。
標高1000mにある山中湖を一周走ったときは、普段のペースよりかなり苦しかった。
急坂を登るときのフォームは、地面を蹴らずに膝が前に出る走り方が脹脛を痛めない。
しかし、20kmと30kmの練習をして、かなり脹脛を痛め、その影響で膝裏まで痛みが溜まってしまった。
数日間休養して、ペースを落とさずに短い距離を走り込んで調整した。
目標タイムは、公認コースでなく距離が不明なので、平均ペース4分40秒とした。
前日までのぐずついた空模様から一転。
週間天気予報も大会日に近づくほど良くなった。
早く寝た訳ではなかったが、不思議と目覚ましが鳴る前に4時に起床。
朝食はいつものコーンフレークとフルーツグラノーラを多めにしてミルクたっぷり注ぐ。
二つの小さなスコーンにブルーベリージャム。
明治ブルガリアヨーグルトのピーチ。
熱いコーヒーを飲んで、まだ真っ暗な夜空を見ると、南東にはオリオン座が光っている。
今日は絶好のマラソン日和に間違いない。
自転車で旅ランする予定だったが、生憎仕事が忙しくてトンボ返りすることに。
走る格好の上にジャージを着てラパンで出発。
真っ青な空に真っ黒な富士の高嶺を見ながら、順調に中央高速を走る。
7時にインターを降りて、近くのコンビニでチーズケーキを食べて糖分と脂肪を補給。
会場近くには駐車場も多数あるが、到着時間が早いにもかかわらず既に満車の看板。
仕方ないから会場から歩いて10分の所に停めた。
キツイ坂道を登って受付会場まで歩いた。まさかこんなキツイ坂を走るんじゃないだろう!?
畦道に咲いていた彼岸花も真夏の日差しでぐったり。
ブドウ会場の風景
なんか背負っている。薪??
受付を済ませて、念願の巨峰の箱ゲット!二房入っている。重い!!
これ目当てにエントリーしたんだよ(笑)
なんでも、人気がある大会らしくエントリーもすぐに終了になったとか。
駐車場まで戻って朝刊を読んで時間を潰す。
なんだかとんでもない大会にエントリーしてしまった。
ジャージを脱いで坂道を軽く走ってみる。こりゃたまラン急坂!
再び会場に入り、ランニング仲間の女性と合流。
久しぶりにお会いできて嬉しかった。
かなりスマートになって、最近はマラソン大会に多く参加しているとのこと。
彼女は10kmの部に参加。
坂だし暑いし標高も高いし!無理しないように楽しく走りましょう♪って体育館の中でおしゃべり。
先に20kmの部がスタートするので、一旦彼女と別れ、坂道を腿を上げながら軽く走る。
暑い。。。
スタート位置は前から3列目?
周りを見ると女性ランナーは少ない。
身体を動かしながら号砲を待つ。
今日は本気で走るつもりは全くない。無理をしない。そんな気持ちでスタートした。
いきなり下りの急坂になって、一気にペースが上がるが、その先が徐々に上り坂となり、どんどんペースダウン。
多くのランナーに抜かれるが、なんとか目標のペースを維持してまた急な下り坂に。
上っては下りの繰り返しで、突然、壁のような坂道が見えてきた。
つま先で蹴らずに、太腿の力だけで力強く登る。
呼吸がかなり荒くなり、ペースを見るとキロ6分台まで落ちた。
後方から速いランナーにどんどん抜かされたが、下り坂で巻き返す脚力を維持したいから、ペースが遅くても焦らないようにした。
標高も高くなって、見渡す風景もとても素晴らしい。
ブドウ棚の向こうには、南アルプスと富士山が見える。
したたり落ちる汗が目に入る。
坂だらけなコースなので、どの地点で撮影されたか不明
ようやく折り返し地点が遠くに見えてきた。笑いが止まらない。
温存しまくっていた体力を振り絞り、折り返しのブドウ畑に向かって加速させる。
下り坂はジェットコースターのように駆け降りる。ストライドを狭くして脚の回転を速くさせた。
着地時の衝撃音が心地良い。
数人のランナーを抜き去り、次の坂は勾配10%以上あるような急坂。
更に加速のスウィッチが入り、時計を見るとキロ3分10秒に目が点になった。
転倒してしまったら、転げ落ちて大怪我することに違いない。
そんな恐怖感もあったが、このスピード感は楽しいの一言。
このまま一気にゴール地点か?と思ったが、そんな甘い大会ではなかった。
いきなり←の看板。
その先はまた上り坂!
下りも多少のアップ・ダウンがあるコースとは知っていたが、ここまでサディスティックなコースだったとは!!
誰だ!こんなコースにしたのは!
気持ち良い下り坂もあっという間に終わって、ブドウ畑の中の上り坂をせっせと走る。
下って上って、噴き出る汗を重くなったリストバンドで何度も拭う。
沿道の声援も多くなって、「もう上り坂はないから頑張れ!」って叫ばれたが、まだ上り坂があり心が折れそうになった。
ホースで水を掛けてもらい、後2キロの看板が見えたところでスパート!のつもりが、前走者との距離も離れてしまい、後方のランナーもいなくて張り合いがなく惰性でゴール!
ゴール手前
目標のペースには届かなかったが、秋のフルマラソンに向けて、脚を傷めず良い練習になったと思う。
先に10kmレースでゴールした女性に祝福して貰った。
彼女は喘息持ちにもかかわらず、この標高の高い厳しいコースで無事に完走した。
気温も高く、平地でのレースとは比較にならない辛さだったと思う。
知り合って一年かな。初めはキロ7分で走るのも辛そうだったけど、それを上回るベストタイム。
辛く苦しい経験をしたとしても、終わってみれば楽しかった想い出なんですよ。
仕事もマラソンも同じ。
これからも色々な経験を積んで成長して欲しいですね。
会場のすぐ近くの温泉に入り、甲州名物のほうとうで空っぽになった胃袋を満たす。
走行記録(標高をクリックすると高低差が分かります)
https://go-wellness.epson.com/neo-run/user/view/shareWorkout.html?shareId=129041025499403000000000000
この大会は30回も開かれている。なんでこんな苦しいコースなのに??
先月のメロン大会と比較すると、ブドウもそんなに多く食べれなかった。
参加賞で貰える巨峰の魔力か。
余りにも辛すぎて来年はこの大会ではなく、10月に行われる「ぶどうの丘マラソン」にエントリーしたい。
と書きながらまた懲りずにエントリーしたりして。
甘くて美味しかった^^