第28回日本海メロンマラソン(ハーフマラソンの部)

真夏に行うフルマラソン大会はなく、ハーフマラソンにエントリーしようと検索していたが、とても美味しい大会を発見!
秋田県男鹿市で開催される「日本海メロンマラソン大会」

秋田県は電車で通過しただけなので、是非観光したい気持ちでエントリーボタンをポチした。

先ずは宿の確保だ。
同じ日には竿灯祭りがあり、宿泊したかった宿が全滅に。仕方ないから、かなり離れた能代市内のホテルを予約した。その後、キャンセル待ちをした第一希望のホテルが空いたから助かった。

大会前日の朝5時に出発。旅のお供は「渡辺美里


連れて行く自転車は今回もモールトンTSR

参加賞に貰えるメロン二個を積んで走るので、TSR専用のコーフーオリジナルラックを使いたいから。このラックは、ドロップハンドルのモールトンAM-20には使えない。


交通手段は秋田新幹線「こまち」
青春18きっぷを使えば、安くて様々な列車に乗れるが、さすがに学生ではないので無理。
在来線区間を走るから「新幹線」は通称。「はやぶさ」が「こまち」を引っ張り、盛岡で「はやぶさ」とさようなら〜。

盛岡駅から秋田駅区間は在来線を走るので、新幹線とはまた違った風景で面白い。車内は新幹線、車窓からは在来線の風景。
目線が低く速度も遅いから、豚の顔も牛の模様も花の種類もはっきり見えて楽しい。秋田への旅は、新幹線と在来線の二重の楽しみがある。

こまちは時刻どおり、12時02分に終着駅の秋田駅に到着した。



時間があるので駅弁を買って昼飯



奥羽本線秋田駅。様々な電車がホームに停車する駅だ。


新潟、青森、当然ながら東京方面の「こまち」も



停車している「こまち」

在来線を使用している風景。



こちらは「いなほ」

稲の生育に不可欠な太陽が、黄金色に染まった地平線から昇るカラーリングが素敵だ。



秋田駅からは、ホテルに一番近い八郎潟駅まで鈍行を選択した。特急電車の方が早く到着するが、敢えて鈍行に乗りたかった。真夏の長閑な田園風景を満喫したいからだ。



入線した電車を見て絶句!

ステンレスボディーのロングシート。駅構内に停車していた旧国鉄車両に乗りたかった。




ゆっくり流れる田園風景を楽しみ、しばらくして八郎潟駅に到着。

自転車を組立てて、大会会場の館山近鱗公園を目指す。
真夏の日差しが照りつける。距離は25kmほど。疲労を溜めないように、ペダルに入る力を弱くして走らせる。
脚の具合は、踵がたまに少し痛みが出る以外は絶好調。ただ、ペダルを漕ぐと、右膝の靭帯が何故か痛くなってしまう。三日間ランニングしていないせいかな。



広大な田園地帯



フジカラーグリーン(中間色)に染まった大地とモールトン




どこまで行っても続く直線道路は北海道のようだ





ポタナビで示された方向を見ると杉林。会場はこの小さな山の奥なのか。少し走るとアスファルトに印が。
その方向へ曲がると坂道が見えた。速度が急激に落ちて、スピードメーターを見たら10km以下!一番軽いギアーでえっちらおっちら漕いで、ようやく受付会場に到着。



素晴らしいゴール地点の風景!



受付を済ませて、大きなメロン二個と、先着順で貰えるあきたこまちをゲット



スタート&ゴール会場を見学。見晴らしは最高!って、ゴール地点はこんな高い場所かよ!ラストスパートは地獄を見そうだ。



スタート地点



ホテルへの道をポタナビにセット。直線距離で7.5km。道のりでは10km前後か。夕陽を浴びながらペダルを漕ぎ、日本のアルカディアと呼ばれる大潟村の田園地帯を走り約30分でホテルに到着。茶褐色の温泉に浸かり、右膝の靭帯をマッサージしてストレッチ。



夕食はガッツリ食べたよ。ビールは飲まない。明日はガチで走るから!

23時には爆睡。嫌な夢を見て夜中に目が覚めた。


大会当日。

5時半起床。
朝食の時間には間に合わないから、売店で買った菓子パンとヨーグルトとクリーム大福を食べた



温泉に入って覚醒。アナログ体重計が56.5kg前後示す。少し重いかも。



出発だ!



交通量が多いのはメロンマラソンのせいか?自転車を止めて、芝生に寝転がって入念にストレッチ。約10分ほど、砂地の小さな周回コースを軽くジョグ。膝の具合は問題なし。腿を上げて汗を出せば体も軽くなった。

ゲストランナーの川内優輝選手が、直射日光を浴びているスタート前のランナー達にエールを送った。最後の坂は笑顔で走りましょう!って。

先頭より五列目に並ぶ。この列は速い人ばかり。若い秋田美人ランナーが二人もいたよ。目力が凄かった。
この大会に挑む前、真夏の日差しの中、それなりに走り込んだから、無事に走り切れる自信はある。問題はタイムだ。真夏のハーフマラソンは未経験。先月の多摩ラン20kmレースとは比較にならない暑さだ。21kmのペースラン練習をしたが、途中で気力が遠のきランニングを中止してしまった。軽い足底筋膜炎にもなり、四日間ほどランニングをしていないときもあった。短い距離をスピード練習し、大会前三日間はランニングしないでこのスタートラインに立った。

8時10分。号砲と同時に花火の爆音が轟く!

スタート直後は緩い下り坂。1kmラップは4分42秒。その後、小さなアップダウンが続く。目標ラップを順調にクリアーしていたが、腹筋全体に痛みが発生。横隔膜でもない痛み。我慢出来ない痛みでないので、そのうち引くだろうと信じながら走った。
呼吸も脚も苦しくない。ランナーの脚音と呼吸音とゲボー!オエー!!って音が木霊した。彼等は大丈夫だったのか。心配。
最初の給水ポイント。
紙コップが大きく飲みやすい。ストローを持っていたが必要なかった。給水ポイントには水を含んだスポンジもあって、頭や首回りを冷たい水で冷やせた。10kmまでかなりのアップダウン。大島マラソンを彷彿させる急坂もあった。海岸線に出たらなんと!給水ポイントにはシャワーが!お姉さんにホースで全身に冷たい水をシャワーして貰った。

下り坂を走り終えたら徐々に上る。ボディーブローのような緩い坂道。
ペースは落ち始めたが、給水ポイントでまた復活の繰り返し。
前日受付で驚いた急坂に差し掛かる。一瞬、脚がすくんだが、今までの苦しい坂ダッシュを思い出し、歯を食いしばって全力で駆け上がった。
数人のランナーをごぼう抜きしてゴール!って安堵したが、スタートフラッグだったよ!まだゴールは先だった。気力が失せたがすぐにダッシュの体制に。ポニーが遊ぶような小さな砂地の周回コースに出たら、後方から若いランナーに並ばれた!
負けてたまるかこんちくしょー!の精神で爆走!!更に一人抜いて、若武者には抜かれずゴール!!



ヨシャーッ!!の雄叫びとグリコのポーズ!!
身体中が暑く、無料のアクエリアスと麦茶をがぶ飲み。シャワーを浴びてもまだ暑い!公園内にある水道を見つけて、頭から足まで全身に水を掛けた。

ようやく楽になり、メロンガールのいる場所へ歩き、この大会で有名なメロンの食べ放題を満喫した。
また熱くなったから(まだ若い証拠)、シャワーを浴びて着替えて記録証を貰った。



ゴールで賑わう会場



ゲストランナー達への質問タイムもあった




暑い中、沿道で声援しているお姉さんやお兄さんのためにも、身体に耳を傾けながらベストを尽くした結果は



目標のタイムは達成したが、後半、もう少しペースを上げられた気がする。最後の急坂を見据えてしまい、体力を温存し過ぎた。
給水に関しても、ゴールが近くなるにつれて、飲む量が多くなり、おまけにスイカとメロンも食べてしまい、完全に水分過多となってしまった。この日、男鹿市ではこの夏最高気温だったと、後のニュースで知った。
確かに真夏でクソ暑いレースであったが、給水ポイントが充実していて、横から上から冷たい水を掛けて貰える箇所も多くあり、この大会が今年で28回も開催されている証しだ。しかし、充実しているとはいえ、何回も救急車のサイレンが耳に入ったのは確かだ。

エントリー費も安くて、メロン二個と前日受付ならばあきたこまちも貰える。給水ポイントもシャワーポイントも多数有り、ボトルを持って走ることもなかった。水だけでなく、メロンとスイカも食べ放題。終盤には、地元の方がボランティアでスポーツドリンクを配っていた。

ラソンブームもあって、ネットを使えば気軽にエントリー出来る時代。
しかし、フルマラソンでなくても、真夏の大会に挑むには、それなりの練習と準備が不可欠だ。
給水が少ないと思うならば、ペットボトルを持って走れば良いし、真夏の暑さに耐えられるよう、日々の鍛錬をすべきでしょう。交通の便が悪いのも、ネットから事前に情報を仕入れて自己責任で対応すべきだ。
こんな素晴らしい大会を主催して頂いた関係者及び炎天下の中にもかかわらず、熱いエールを送って貰った人達に感謝致します。
当然、来年も今大会の自己ベスト更新のために、美味しいメロンを食べに行きますよ!




ゴール後、かなり時間が経ってからの記念撮影



走行記録

https://go-wellness.epson.com/neo-run/user/view/shareWorkout.html?shareId=308041029407462000000000000

ゴールした時に時計をストップさせるのを忘れていた。



ようやく食欲が出始め、無料で配られるメロンを頬張り屋台で買い出し



かなり元気になったから、自転車で走ったコースを見物に



給水ポイントにもあった天空シャワー!命拾いしたよ。



海水浴場で海パンに履き替え、真っ青な日本海の海へとざぶん〜!



泳げる範囲はブイで仕切られていても、横に長いのでかなり広く感じた。
遠浅で透明度は非常に高く、強烈な真夏の日差しが足元で泳ぐ小魚達をキラキラと光らせる。
着替えるのが面倒なので、海パンのまま自転車に乗ってホテルへ向かう。




広大な田圃の向こうにホテルが見える



昼食は役場の近くのレストランにて



食欲があるってことは熱中症になっていないってこと。ガッツリ二人前腹に詰め込んだよ。ホテルに戻り温泉に入ったら激痛が!


日焼けが酷くてまともに入れなかった



アルカディアに沈む夕日を眺めながら夕食



献立は



夕食は麦酒を飲みながらガッツリ食べた

昼と夜と食いすぎて、温泉にゆっくり浸かり、体重計に乗ったら58kgだった。腹が苦しくて中々寝付けなかったが、いつの間にか爆睡していた。


翌朝は6時頃には目が覚めて、バイキング形式の朝食を食べながら今日の予定を考える。一人だと気が楽だ。
大潟村生誕50周年。これに決めた。大潟村の生い立ちを調査・研究してみようと。



サンルーラル大潟を出発



お土産のメロンを積んで



まずは、アルカディア(理想郷)を散策。


1区画がとてつもなく大きい住宅地が並ぶ



総合中心地と呼ばれている街区。公共施設と住宅地を一箇所に集約させ、大規模農業に支障が出ない街づくりとなっている。



サルビァとモールトン



大潟村誕生に貢献した人達の銅像




大潟村干拓博物館

日本で二番目に大きな湖だった八郎潟の埋め立て計画は、江戸時代からあったようだ。




八郎潟がかつて湾であった証拠。クジラの骨の一部




干拓事業前の八郎潟の航空写真




指で示したところがマラソン大会会場




漁の風景




干拓事業によって生活の場を奪われてしまった漁師達へは、国が優先的に干拓地を与えたが、網を鋤や鍬に持ち替え、慣れないトラクターでの作業は相当の苦労があったことが伺わせられる。

重いトラクターは、泥にはまって右往左往し沈んでいく。




怒鳴りつけている




八郎潟駅に掲げてあった「八郎太郎伝説」の謎が解けた




八郎潟の生い立ち




干拓工事中の八郎潟は、龍のように排水パイプがひしめぐらされ、湖底の泥が天に舞い、八郎太郎の伝説を蘇らせる光景だったそうだ







1825年より現在までに至る沿革



ヤンセンレポート





大潟村誕生と入村




驚いたことに、東京からも3名の入植者が存在していた




カラフルな三角屋根の建物は現在でも存在していた




訓練者に対する注意事項。読むとかなり面白い



スケジュール表
トロメライ・・・・なんでしょう??





厳しい環境と慣れない作業でも、第2次第3次へと入植者の応募が後を絶たなかった





建物の構造は主にコンクリートブロックだったようだ




地層には無数のシジミが堆積していた




この大きな袋で約85個分の米が収穫可能。一戸当たりの作付面積の広さに驚く




大規模経営に欠かせない、大型トラクターと貯蔵庫





良質の米を大量生産させるのに、様々な工夫がされていた





水田の大きさの決め方





大潟村の50年。努力と汗の結晶という単純な言葉でしか書けないが、人々は何を信じてこの理想郷のために一致団結したのだろうか。不屈の精神がなければ成功者にはなれないだろう。
照りつける太陽の下、この資料館を後にした私の太腿には鳥肌が立っていた。素晴らしい資料館だった。




時間も昼飯時になり、またホテルへ戻ってランチ




お土産を買って、メロンと一緒にゆうパックで送り、中心市街地にあるケーキ屋さんに寄る




女性パティシエがオーナー

真夏だったので種類は豊富ではないが、とても頑なで筋が通ったケーキだった。まざりっけが無く基本に忠実ってこと。
アイスコーヒーはサービスで頂いた。




街中をサイクリング




大小いくつもの用水路が縦横無尽に走っている。村といっても、広大なヘリポートも存在する。




隣地との境界標

不思議なことだが、土地を取り囲むような塀を作っている家が少ない。防犯カメラさえも見当たらない。そのようなギシギシしていない街全体が、都会には全く存在しない非常に良い空気感を出している。
俺の土地だのアンタの土地だのといった争いは存在しないのだろう。何か問題があれば、皆が協力して問題の解決にベクトルが向かうでしょう。50年間も苦労した友であればなおさらだ。
見知らぬ私に対しても、小学生達も老人達も気軽に挨拶をしてくれる。車が自転車を追い越すときも、かなりの車幅を開けて追い抜いて行った。
全てにおいて優しい「アルカディア
理想郷とはこの村のことを表している。
理想と現実は違うと言うが、理想を追い求めずに諦めてしまうのでしょうか。「卓越とした政治力と不屈の精神」をもってすれば、理想郷に少しは近づくとは思わないか。
そんなことを考えながら、次なる目的地「日本一小さい山」へと漕ぐ。



山頂がなんと!海抜0m地点。今立っている場所の標高は−3.776m




赤い玉の横の線が海抜0m。つまり、その線が湖面だったということ



水害に見舞われないよう、毎秒4トンのポンプが4台設置されている。





さらば、大潟村。さらば、アルカディア!!


大潟村の写真集をお土産に





モールトンを分解し、再び鈍行に乗り秋田駅へと向かう。竿灯祭りがあるので、車内は浴衣姿の女子で賑わう。

17時頃に秋田駅に到着。
秋田発のこまちは19時4分。時間が余っているのでスタバで休憩し、祭りの雰囲気を味わいに行こうとしたらなまはげ発見!!




スリーショットだ

頭を撫でてもらったよ。





竿灯祭りの会場

ここで時間切れ。慌てて駅へ向かい、帰りの駅弁を購入。




秋田美人とあきたこまち弁当

理想郷で生まれた米か分からないが、その食感と深い味は、食材が冷たくても納得がいく美味しさだ。


記録よりもベストを尽くし、五体満足で帰りの秋田新幹線こまちに揺られている中で、このブログを書いている自分が幸せだ。
酷い故障もせず、夏場の辛い練習に耐えて来れたのは、私を支えてくれる仲間達の存在がある。

切磋琢磨。マラソンをやっていて、この四文字が本当に身に沁みる。
仲間がいるから頑張れる。
仲間がいるから無理をしない。

仲間とは?仲良くとは?
仲良くとは、良い意味でお付き合い、悪い意味で癒着ですか。この線引きをしなければ、倫理も道徳も秩序も無い暗黒のブラックホールに吸い込まれるでしょう。
言いたいことも言えず、お互いに探り合う仲が良い友ですか。意見言われても、その人と親しい関係を続けられますか。あなたにとって、仲間とはなんでしょうか。

来月は、山梨県勝沼町のブドウハーフマラソンに参戦する。今度はブドウだ(笑)
今回の反省を踏まえ、タイムは1時間30分により近いタイムを出そうと決意した。私を応援してくれる仲間達へ勇気を与えるために。