第31回大田原マラソン


微妙に上っている。そして、真北へと向かうこの風景。


大会パンフレットはハーフ通過するときの絵かな。
バックの那須連山がとてもダイナミックに描かれている。
追い風に押されてペースアップ!


冊子の表紙も大田原らしく格好いい。
中身を読めばイベント的な大会でないことがよく分かる。エイドの食いモンは一切ないんだよ。


シリアスランナーが集う大会。
それでも、今年も走った後は無料で入れる温泉のサービス券が同封されてたよ。
このおもてなしも楽しみの一つ。
走った後の暖かいおもてなしは変わらずね。


会場施設も十分な広さ。小便なら専用のトイレが設けられていて並ぶことはなかった。


コンパクトシティなのだが、駅から離れているのが不便。
JRを街の中心に通せなかったのかな。
毎回思うんだけど、温泉からの送迎バスがJRの駅なんだよね。駅の周囲は閑散としていて店が少なすぎて寂しい。


申請すれば誰でも置ける大会も珍しい。


南東から北西へ進むV字コースも珍しい。
ペース配分が難しいだけでなく、北風も強く吹くので、24kmからの上り基調に脚が上がるか?


そんな厳しいこのコースで日本記録が出たら凄いことに。。。


貴重品を預かるのも珍しいね。


毎回楽しみにしているTシャツのデザイン。
とうがらしも大田原独特の参加賞。
今年のパックジュースはトマトジュースだったよ。トマトジューズは苦手。


スタート時間が10時なので、首都圏であれば、湘南新宿ライン等でも日帰りで行けるよ。



制限時間が4時間という大会は数えるほどしかない。
ラソン人気にともない、全国津々浦々溢れるほどの大会、というかイベントが開催されている。
「自己への挑戦状!」という誘い文句に飛びついた4年前。
既に初フルマラソンで4時間切っていたので、制限時間4時間と特異なV字型のコースは特に苦ではなかった。
しかし、息もできないほどの強風は初体験で耐えられず、何度も立ち止まったり歩いたりしてゴールした。
V字コースだけでなく強烈な向かい風も吹く、とても好記録は望めない大田原マラソン
気持ちよく風景やエイドを楽しみながらゴール!とは程遠い大田原マラソン
記録目的なら、もっと走りやすい大会がいくらでもある。
一昨年はそんな大会の一つ、つくばマラソンで念願のサブスリー達成。
毎年エントリーしていた大田原は蹴った。
なので、ちょっと後ろめたさもあって去年は大田原の地に戻ったが、スタートラインには立ったけど、故障により30km手前でゼッケンを外した。
第30回という記念大会だったのに。

今年は3月から故障が治り絶好調。
いくつもの厳しい大会をステップにして成長し、去年のリベンジを果たす時がきた。
エイドは一切給食なし。殺風景な田舎道を延々と走るコース。
にもかかわらず、「自己への挑戦状!」という強烈なキャッチコピーに誘われ、懲りずにも今年で4回目のチャレンジとなった。
大会パンフレットにもある那須連山から強風が吹き荒れるか心配したけどね。

水は高いところから低いところへ流れる。
全ての物には引力が働き、その引力に抗う生命体は数知れない。
その生命体の1つの人類が幅を利かし、空や海を征服しようとしている。
スポーツの1つに陸上競技があり、フルマラソン陸上競技の頂点に立つような種目。
国土の7割が森林地帯。数億年前からの地殻変動により形成された那須連山。
いくつもの沢が集まり、やがては大河となって太平洋へと注ぐ那珂川
大噴火により山体崩壊し、溶岩だの土石流だの砂礫だのが転がり落ちで出来上がった扇状地帯の大田原市
日本という国は本当に扇状地帯だらけだな!
地理的形状も気象も人の手をもってして容易には変えられない。
週間天気予報はオホーツク海にトリプル低気圧!


北海道は吹雪!秋は終わってもう真冬。
もちろん、大田原なんか冷たい恐怖の強風が吹き荒れること間違いない。


前々日からお餅の量を増やした。


頭も丸めて軽量化に。



必ず入っている与一くんも振り掛けて。


前日の昼飯はパスタ。


体重はサブスリーを出した一昨年と同じレベルに落とせたよ。
酒好きではないが、1週間禁酒して甘いオヤツも少なめに。
大会前夜も減量によるリバウンドもなく、大盛りにもしなかったよ。
那須塩原駅前の「平成」にて。
新幹線が停車する駅なのにファミレス一つない。
大会後は満員で中々入れない。今年は勝負飯とした。
マネージャーは根野菜中心のちんげんうどん。


私は鍋焼きうどん。きのこ類と野菜は消化が悪いのでマネージャーのちんげんに加えた。


肉が少なく感じたので、セブンイレブンでサラダチキンを買って食べた。
天気予報図を何度見ても冬型の気圧配置は変わらず。
直ぐに寝に落ちて熟睡。

翌朝は4時半に起床。
熱い湯船に浸かりリラックス&マッサージ。
走っているイメージをするけど、折り返しの地獄ロードが目に浮かぶ。
折り返しまでの24kmは平均4’/kmで走りたい。
朝食メニュー。


いつもより軽くした。
肉団子は3個。カロリーメイトはそれぞれ1本づつ。
消化も早く少しお腹がすいたので、ホテルのバイキングでフレンチトーストを半切れ食べた。


この大会はスペシャルドリンクが置ける。いつものようにウェストポーチにジェルをたくさん入れることもなく、今回は軽めの仕様にしたよ。
青いアミノバイタルだけ走る前に飲んだ。レッドブルは半分だけにした。


ホテルのおもてなしにもらったチオビタもしっかり飲みました。


ホテルから見た那須連山の風景。


8時前にホテルをチェックアウトし、那須塩原駅前から出ている送迎バスに乗車。
バスといっても大型観光バス。この3連休に観光バスを何台もチャーターする大歓迎な大田原。
待ち時間もなくスムーズに会場入り。

今年の完走食はホットケーキだったよ。


7箇所に置けるスペシャルドリンクを提出。
マネージャーが丹精込めて作ってくれたよ、ありがとう。リタイヤしないようにしなきゃ。



中身は大好きなポンジュースにパワージェルを半分と蜂蜜少々。
大会景品でもらったコレも入れたよ。


体育館に荷物を置き、とりあえず目標タイムの前で決めてみた。


時間があったので無料のマッサージを軽く受け、仙台から参加のラン友さんと合流。
ラ・フランスハーフマラソン以来の再会。


スタート前の風速計は、目が回るくらいに猛烈に回転してたぜ。


旗はバタバタとはためき、バルーンは強風にあおられてこの状態。


柔らかな芝生の上でストレッチとアップジョギング。
この強風は・・・・24kmまで楽しく走れるね!って自分を慰めてみたよ。


シューズは新品のターサージール6。


スタートラインに整列。お互いに健闘を誓い合った。



号砲が鳴り響きスタート!


綺麗なグランドを回りペースを上げる。
500mも走らないうちに鼻水が垂れた。
しばらくは強い向かい風に押されたが、コースマップどおりに少しずつ下り基調になり追い風に。
瞬間風速は10m以上ありそう。
強烈な追い風にあおられて、足が早まり前につんのめそうになること数回。

スペシャルボトルのテーブルが見えた。取ることに集中!
が、強風で倒れていて発見できず。
立ち止まって探してやっと見つけたよ!
20秒はロスした。
ありがとう!ってつぶやいてボトルをゴミ箱へ投げた。

下り基調と強烈な追い風にもかかわらずペースが上がらない。
4’/km切って走れたのは数回だった。



箒川を渡る大橋では、鼠色の雪雲に覆われた那須連山からの息もできない強烈な横風!
この時点でサブスリーは諦めた。
すれ違いが始まる17kmからのやや緩い上り基調では、かなり早く脚を運んでいるにもかかわらずラップタイムは4’25”/kmという愕然とする数字が。
折り返しでラン友さんとエール交換。なかなか良いペースだったね!

再び下り基調の追い風になるが、ペースは相変わらず4’5”/km前後。
ハーフのブルーマットは、目標タイムより2分近く遅く通過。
これでも頑張って走ってるのに!
って、反省しながら走ると、大田原で最も楽ちんで美味しい下り基調が終わった。

24kmからの地獄の走りが始まった。
上り基調だけでなく、今まで恩恵にあずかっていた追い風とサヨナラ。

息もできない強烈さ!身体が横向きに!
そして氷のような冷たさ!

スペシャルエイドは上りが厳しい場所にあったから通過。ごめんなさい。

とりあえず、30kmを2時間5分台通過を目標に堪えた。
が、心が何度も折れて6分台で通過。

しばらく走ると後方から大人数の足音が!
なんと、サブスリーのペーサがいたよ!
集団に吸収してもらい、猛烈な向かい風もそよ風に変わった。
集団が風よけとなり脚の運びが楽になった。
かなりの集団だから、右へ左へとランナーの身体に接触し、脚がもつれて転びそうになるのに気を付けた。

これは気持ちいい!
このまま12km走りきれる!
ありがとうペーサー!

って感じたのもつかの間の3km。
次第にペースが上がり、前を走るランナーの体がぼやけ始めた。
低体温症の兆候が出始め、再び猛烈な向かい風が集団を襲いバラバラに。
倒れてしまいそうになり、勇気を持って集団から離脱。精神と肉体が崩壊寸前だった。


残りの体力は来月の防府読売マラソンに備えペースダウン。
40km通過タイムを見て、今年ベストの3時間7分は切ろうと気合いを注入。
ゴール会場へ向かうランナーがぼやけて見えた!
グランドに突入!



グランドに入ったら吹き飛ばされそうな強風が!


歯を食いしばって半周走り、追い風になって時計を見たら5分切れそうだったから、最後の力を振り絞ってダッシュしたつもりでゴール!

ゴールポーズは苦しすぎて指が2本(笑)
ゴール脇の芝生に寝転んで息を整えた。
係りの人達が心配して声を掛けてくれたが、ただ単に温かい芝生の上にいたかったから。
さすがに悪寒が走って寒さが増したので、マネージャーの待つ場所へロボット状態で歩いて行った。
手作りの完走メダルは次の大会でお願いします。

走行記録

https://go-wellness.epson.com/neo-run/user/view/shareWorkout.html?shareId=321181021353677200000000000



両足裏横がひどく攣ったように痛むのはいつものこと。
マッサージを入念にして痛みを和らげた。
ジャージだけだと震えが止まらなかった。
ラン友さんも無事にゴール!


ラソンを始めて2年目。フルマラソンは大田原で2レース目。自己ベストを10分も更新して3時間19分台の完走は素晴らしい!ナイスラン!!

温かいなめこ汁で温まる・・・はずが寒すぎて温まれない。
日陰の体感温度は0度近かった。
再開を誓い合い、また次のレースで勝負しよう!って別れた。

すぐに発車する無料温泉行きのバスに乗った。
行先は左久山温泉きみのゆ。
泉質はまろやか。泉温はかなり低い。肌がぬるぬるすべすべになったが、全く温まらん。
ジャグジーに入ったら泉温がかなり高く、こっちの方が身体がぽかぽかになったよ。
16時15分の那須塩原行の送迎バスに乗って駅に到着。
駅弁を買おうと探したが、新幹線発着駅なのに駅弁が売ってない。
仕方ないので宇都宮駅で最後の2つを買って、湘南新宿ライングリーン車で食べた。
右側が山菜弁当。足りないのでコンビニでも買った。


久しぶりのビールは美味しかった。


大会を振り返って。

年末からアキレス腱を痛めてしまい、やっとまともに完走できるようになり、この厳しい大田原マラソンにエントリー。
徐々に絶好調だった一昨年の脚力に戻り、再びサブスリーを目指す身体に仕上がって挑んだ大会だった。

天候次第・・・という言葉は嫌いだが、そこは自然を相手にするスポーツ。
といっても、ここはフラットで走りやすいコースではない大田原。
余裕でサブスリーを出せるランナーでも苦労する厳しいコース。
風が強く吹くのは当たり前の地形。それに打ち勝つような鍛練を積まない限り、この大会で目標達成は厳しいなんて百も承知だった。
それなりの練習を積んできたつもりだったが、やはりこの大田原に挑むには脚力も精神力も不十分だった。

50歳を過ぎると身体の個々のパーツの能力の衰えが激しくなり、練習内容はこなせるが疲労回復のスピードが遅くなる。
1週間前に行った20kmペース走後は、低体温症と貧血、内臓も疲労してしまい、軽いジョギングでも鼻水が止まらなくなった。
体重もかなり落ちて、食べる量を徐々に増やして疲労回復に努めたが、鼻水が喉の奥に絡む風邪の初期症状は治まらなかった。
大会3日前から2日間は腹筋と体感トレーニングをやってみたが軽い筋肉痛に。
結局、大会当日まで成功に終わったのは、いつもやってなかった禁酒と禁爆食いだけだったようだ。
軽い筋肉痛と鼻水は止まらないけど、身体は軽く絶好調。
サブスリーは自信なかったが、強風にも負けずに楽しくゴールできる自信はあった。

一昨年サブスリーを達成したつくばマラソンの前の大会で出した3時間2分。
赤城おろしの強風が始終吹き荒れたぐんまマラソンのタイムを目標にした。
スタートしてもペースが上がらず息苦しく、とても楽しく走っているような感覚でなかった。常に苦しかった。

24kmからは地獄の2文字。こんな辛い経験はいまだかつてない。息もできない強風が続いた。
反対車線から走ってくる大型車の風も重なって、前走者が立ち止まって見えたよ。
殺風景な風景と殆どない沿道からの声援。
24kmから34kmの10km区間は、精神と肉体が崩壊寸前の地獄だった。
これはマラソン大会なのか?と笑ってしまった。

往路の暑さで手袋を脱いでウェストポーチにしまってしまい、次第に指先が冷たくなり視野がぼやけ始めた。
下してしまったアームウォーマーを上げる力も湧き出ず、低体温症気味になりペースは上がらず。
復路の北風を想定して、手袋とアームウォーマーは着けたままにすべきだったね。

今回初めてスペシャルドリンクを持ち込んで挑んだが、目が疲労してぼやけてしまい、自分のボトルを探すのに苦労しタイムロスした。
風で倒れてしまったのもあったが、直立していても自分のを見つけ出すのが大変だった。
ゼッケン番号を叫ぶとここだよ!!って教えてくれるものの、係員はボトルに触れることはできないらしい。でも倒れていても起こしている係員はいたけどね。
とてもレースペースを保って取って飲むのは無理だった。
結局、7箇所のうち、1箇所だけ上り坂の途中にありあえて取らなかった以外は全て取れて、3.4口だけど飲むことができてよかった。
倒れないようにとポンジュースの量を多くしたので、もっとジェルの量を増やさないと効果が発揮できなかった。
復路は全く汗が出なかったので喉も乾かなかった。

大田原でのサブスリー達成は叶わなかったが、昨シーズンを故障で棒に振ってしまった脚力は取り戻したと実感した。
5月の黒部名水から厳しいコースのいくつもの大会をこなし挑んだ結果、ついにサブスリー達成への入り口が見え始めた。
約2週間後の防府読売マラソンは楽しんで楽しんで走ってやるぜ。