第7回飛騨高山ウルトラマラソン 71kmの部


厳しい山岳コースで有名な飛騨高山ウルトラマラソン
去年はサブ10を達成した素晴らしい思い出のある大会。
今年は富士五湖118kmにエントリーしていたので、飛騨高山は71kmの部に参加。
去年はガチで走りエイドもほとんど素通りだったから、マネージャーを巻き添えにエイド爆食いファンランして楽しむことにした。
週間天気予報は曇り雨マークが消えなかった。スタート時に雨が降っていないことを祈った。
月間100kmも走ってない主婦ランナー。
とはいえ、フルマラソンは何度も完走してる。
根性は一丁前にあるから、制限時間11時間と緩いので楽しく完走してくれると思ったが…( ̄▽ ̄;)

朝の8時に作業車で飛騨高山へ向けて快晴の東京を出発。
高速バスでも安く行けるが、時間の拘束もあるし観光もしたいので、往復600kmの道のりも楽しめたよ。
松本までは高速を通り2時間少しでインターを降りるが、日本の屋根となっている飛騨山脈を一般道で超える時間が長い。
国道158号線(野麦街道)をひたすら西へ走り、安房トンネルをくぐれば岐阜県に入る。
私が生まれた頃にボーリング調査が開始され、長野オリンピック前に開通した安房トンネル
窓を開ければ硫黄の香りが鼻をつく。
開通の2年半前には水蒸気爆発により作業員4名が亡くなった。
そんなことをマネージャーに話しながらも、奥飛騨郷の風景に癒される。ご冥福を祈ります。


昼過ぎに高山駅に到着。伝統と格式を重んじる風情のある駅舎。
外国人観光客も多く、世界に誇れる建築物となっている。



ミクシーのランニングコミュニティで知り合ったラン友さん達と合流。
フルマラソンは2時間30分切り、飛騨高山ウルトラ100kmマラソンは8時間切りを目指しているスーパーランナー。
今年は残念なことに故障してしまい、思うような練習が出来ず、今年は笠を被って楽しく走るということ。
そんな彼が去年食べた親子丼のお店に連れてってもらい、完走祈願にカツ丼とざるうどんを注文。
炭水化物を大量に摂取!卵がふわふわのトロトロだった!





会場へ向かい事前受付を済ませ、もう一人のラン友さんと合流。
5年越しとなる完走を狙う。惜しくも98km地点でリタイヤした悔しさを晴らすことができるかな。


記念シャツのデザインがあまり好きでなかったので、今年は笠を買ったよ。



夜飯は去年と同じお店で朴葉味噌飛騨牛×ジャコご飯。


ホテルの温泉に浸かって長旅の疲れを取って、缶ビール一本呑み干し爆睡。
天気予報では曇りのち雨。
翌朝は3時に起床し、おにぎり2個だけ食べて出発!
スタート会場に到着。フルマラソンとは全く異なるスタート風景。ゾクゾクするね!!


ラン友さんとエールを交わす。
脚の具合がかなり悪く、なにしろ無茶をしないで欲しいと願うばかり。
この日のために厳しい練習を重ねてきた。万全な状態でスタートラインに立てない悔しさ。それでも彼は精一杯に応援してくれる人たちのために完走したいと言った。
私の方はなんのプレッシャーもなく、相棒がリタイアしないことだけ祈ってたよ。
完走は心配してなかった。
ラソンを止めるきっかけの悪魔の痛みが出たら、辛くてもゼッケンを外させようと思った。
作戦は39kmのスキー場まで頑張る。6時間15分以内で通過できるか?
なるべくトイレは寄らない。
エイドでたくさん食わない。止まらない。上り坂以外は歩かない!
はしゃがない!←こればかりやると疲れる。笑笑
因みに、リタイヤすると特製の今治タオルが貰える。これが実は貴重品。でも数に限りがあるって!



いつものゼッケン。ゴールまで連れて行くよ!


市長の「ゴールでハグするよ!!」って挨拶が終わり、71kmの部の号砲が鳴った。


スタートして少しの上り坂を過ぎれば、高山駅までは下り坂。
下り坂や平坦路はペースを上げることにした。
賑やかで温かい応援に感謝!早朝から本当にありがとう!



古い街並みを過ぎれば、閑散とした山岳コースへ行く。
10.5kmのエイドでさっそく給食!バナナ、フルーツ、一口ドーナッツ、チョコポッキーをゲット!


馬の鼻先にニンジン!?頑張って走ってるマネージャーの鼻先にチョコポッキー(笑)
走れー走れー!
徐々に上り坂になり、最初のキツイ峠道では歩くことはしなかった。
森が深くなるにつれてエゾハルゼミの鳴き声が騒がしくなる。
1年の半分以上は厳しい環境の下で生を育む。鳥からカエルから昆虫から多くの生命に囲まれ、僕らの会話する音がかき消されるような騒々しさだった。
ブナやクマザサの緑が眩しく、次第にヒノキやスギ、モミの針葉樹林帯に入る。
クマに注意!って説明会場でアナウンスがあったが、道路上にはいかにも獣糞と思われる固形物がたくさん落ちていた。
車は大会関係車両以外は殆ど通らない。ランナーの足音と生き物たちの鳴き声のハーモニー。
都会のストレスに疲れた者たちが、この優しい森の中に入り癒される。
雲間からは陽射しも降り注ぎ始めた。蒸し暑い!!


なんと数人の100kmランナーと合流。ここで追いつくなら100km完走はかなり厳しい。頑張れ!
16.7kmの美女高原エイドで、冷たいリンゴジュースと超甘いリンゴのお菓子をゲット!マネージャーはエイド通過!




美女高原からの下り坂をかっ飛ばし追いつく。
リンゴの甘いお菓子を走りながら与えた。
下り終えてからスキー場へ向かう上り坂が71km部門の一番の難関。ここを乗り切れば楽勝!
って、上り初めで膝が痛いと(笑)
マジ??小股でゆっくりでいいから歩けと指示しても痛みが引かない。
痛み止めのイブを飲んでゆっくり歩き、痛みが出なくなり始めてまた少し走り続けた。


21.8kmの朝日町キャンプ場エイド到着。
すぐにスタートさせ、私はエイドに集中(笑)
おにぎり、フルーツ、よもぎうどん!よもぎうどんは香りも喉越しも良くて10杯頂きました。


なだらかな上り坂が続き、30km地点のキャンプ場エイドで二人ともトイレ休憩。
血が垂れてる!!って叫び声を聞きながら(爆)
ここでは地元の美味しいお蕎麦を頂きました。3杯くらい?
ここからの上り坂がかなり厳しく、歩いているランナーが殆ど。2・3kmは歩きとおしたかな。


火畑蕎麦。1000m以上の高地で育った。焼畑農法が由来。香りも喉越しも良く最高!


時計見ても余裕で第二関門は通過出来る。
目標としていた30分余りの関門到着時間が1時間も早く到着。
マネージャーの時計は長時間に対応できないので、私の時計がペースメーカー。
なんだけど、実際よりも30秒遅く告げていたので早く到着(笑)
ここのエイドはおにぎりやパンだったので、ポカリスウェットの給水のみで通過。
給水コップは富士五湖ウルトラマラソンのようなプラスチックではなく紙コップ。再利用は難しいが、コップの口を塞ぐことができるので有難かった。




黄色のゼッケンは100kmのランナー。緑色が71kmの部。



ユレニクイのウェストポーチにはジェルが5つ。エイドでの給食ロスを避けるため。脚攣り防止のジェルは効果があったようだ。
たらふくエイドで食った腹がかなり膨れているよ(笑)



いくつかのアップダウンを通過し、ようやく1.345mのコース最高地点に到達!


40kmを5時間27分で通過。
先を走る彼女に追いつこうと坂を爆走!
意外とかなり先に行っていてやっと追いついた。


ペースが6分30秒前後だったから、もう少し落とせと指示。
ここからは正直にラップタイムを申告。笑笑。
この先にキツイ上り坂があるから、歩きを入れるとペースアップするしかないって返事が。
無理するなよ!




49.5kmの県道公民館エイドではなんとアイスのピノが!!
ピノは10個は食ったかな。


たくさんのゴーフレットの下にはたくさんのクッキーが(笑)

時間も余裕があったから、マネージャーもピノを食べてトイレ休憩。ここのトイレはなんと洋式だった!
ゴーフレットとクッキーもたくさんもらって、また先を行く彼女を食べながら追っかける。


大会ラストの急な上り坂を歩いてるマネージャーに追いつき、すこしおすそ分けしたよ。レーズンを(笑)。
最後の急な下り坂でなんと2度目の膝痛ーーー!!
もう一度イブを飲み歩いて坂を下る。
徐々に薬が効いて、すり足状態でスロージョギング。


静寂な山村の田舎道にはザザッとすり足の着地音しか聞こえない。
頑張れ。時間は十分余裕があるから。小雨が降り始め笠に落ちる音が響くが直ぐに止んだ。

後500mで飛騨牛だよー!!って声援が飛び、ようやく丹生川大エイドに到着!
マネージャーには時間に余裕があるから少し休んでって指示したけど、飛騨牛の香りに負けて食べたりはしゃいだり休み過ぎた。
早くスタートしなさい!って言われて先に行くマネージャー。
私は飛騨牛のカルビとロースをたんまりと食いまくって、焼きそばを2皿胃の中へー。
冷たいトマトジュースは売り切れだったよ。
今年の飛騨牛は肉厚のプリプリだった!


焼きそばは普通だったから1皿にしとけば良かった。
肉と焼きそばで膨れた腹が揺れまくって、先を行くマネージャーを負うのが苦しかったぜ。
遠くにやっと見つけたって喜んだのも束の間で、かなりひどい痛みで歩くのも辛そう。


美味しい飛騨牛を食った罰なのか、休みすぎて膝が固まってしまったらしい。


民家はそこそこ点在しているが、必ず庭先で応援してくれる。本当に飛騨高山の人たちは温かい。


少し早歩きでも計算上はギリギリでゴールできる。エイド寄らなければ。
残り10kmを切って、泣きそうになりながらも脚を前に進める。
痛みは本人しか分からない。
頑張れと声を掛けても痛みが引くわけでもない。ここから先は根性で進むんだよ!!

65km過ぎて国道に合流し、100kmを走るランナーが遠くに見えた。
アップデートではラン友さん達も良いペースでラップを刻んでいた。
そんな彼らを話題にしながら、僕らは後方から来るランナーの邪魔にならないように歩道の端をゆっくり歩いた。

68.3km地点のエイドで山梨県名物のくろ玉をたくさん頬張った。


甘くて美味しい!
外側は黒蜜の羊羹、中はえんどう豆から作った餡子が入っている。



残り3kmを切った!!ゆっくり歩いてもゴールできる!!
彼女に先に行ってもらい、お腹がグルグル鳴り始めてセブンイレブンでトイレ休憩。昨日からかなり食べていたので(笑)
中々出切らずに10分以上籠ってしまった。


スッキリドカンして、食べたかったガリガリ君
小走りで食べながらマネージャーを追う。


蒸し暑かったから、追い付いた頃にはアイスは私の胃袋へ。
可愛そうだからくろ玉を1つだけ食べさせた。


残り1kmとなり、少し併走していた100kmランナーとお別れの地点でランナーの応援。
アップデートを確認すると、10分ほど待てばラン友さんと会えそう!
しかし、エイドの休憩が長いのか、中々姿を見せず、仕方がないからゴール前で待っている彼女へ向かいダッシュ
腹が苦しくって目の前がチカチカして倒れそうだったよ。

そして手を繋いで感動のゴール!!
高山市長とハグハグしたよ!
いやー長かった!去年の100kmより長い時間だった(爆)




大会を振り返って。
快晴の下でガチで走った去年とは全く異なり、生憎の空模様で飛騨山脈は見れなかったが、制限時間11時間を一杯に使って飛騨高山の地を再び駆け抜けた。
去年は殆ど味わえなかったエイドも食べ尽くせて満足。青柳総本家のういろうを見逃したのは残念だったが。
走行前の体重と走行後の体重が同じだったという。どんだけーーー!食ったんだ(笑)
早々に膝を痛めて苦しい71kmの道のりだったけど、絶対にリタイヤはしないって何度も力強く答えていた。その強い精神力には頭が下がったよ。
絶対完走!絶対にメダル!!絶対に市長とハグ!!!ってそれか(笑)
厳しい山岳コースで有名だが、71kmの部はコース最高地点まで頑張れば、残りの殆どは下り基調の楽なコース設定。
57.2kmの丹生川大エイドを過ぎれば、あっという間に71kmのゴールにたどり着く。
100kmの部に比べれば制限時間もコースも楽なので、フルマラソンを完走した経験のある方なら是非お勧めします。
単なる観光ではなく、走って観るーには距離が長すぎるが、去年よりも200人も多く集まった国内外の変態たち約3500名を素晴らしいおもてなしで迎えてもらい、大会関係者及びボランティアの皆様には今でも感謝の気持ちで溢れている。

翌日の高山観光もビッコを引きながら楽しめたね。



国の重要文化財の照蓮寺本堂

マネージャーの伯父さんが亡くなったというので、突然の訪問だったがお焼香をすませた。
来年はエントリーしなくていいから、私の応援ランでたくさん声援を下さいね。
お疲れ様でした。