第67回別府大分毎日マラソン大会


東京マラソンが開催されるまで、別府大分毎日マラソン大会は日本の三大マラソン大会だった。
誰でも走れる大会ではない。
市民ランナーにとって憧れの大会。
そして日本有数の温泉地、別府。
海の幸山の幸も思う存分楽しみたいものだ。

毎年2月初旬に開催され、スタートは寒い朝ではなく暖かいお昼の12時。平坦なコース設定なので、走りやすい気象条件であれば好記録が期待できる。
そんな思いでカテゴリー3でエントリーし、にやにやした顔で2時間56分の記録証をファックスしたが、予想どおり?故障に続く故障でテーピング祭りで出発の日を迎えた(笑)。

当日は更に巻き巻きしたよ。


12月半ばにようやく腓骨筋膜炎が完治し、年明けの千葉マリンハーフマラソンに向けて練習した。
年末のお墓詣りに行ったとき、急に左足のアキレス腱に痛みが走った。憑りつかれた??
クラッチペダルを踏む度に痛みが。。。
翌朝のジョギングでは歩くのも困難な状態に。

今までは、完治しないまま練習をして故障を治していたので、今回もゆっくりジョギングをしながら治ると思ったが甘かったようだ。
痛みがなくなっては練習しても、再びあの悪魔のような痛みが復活する。
ハーフマラソンは棄権して、1週間ほど静養した後に再び練習再開したが、結局はまた痛みが復活。
テーピングしてジョギングしても変わらず。
前回のアキレス腱故障時はここまで酷くなかった。1週間も休養すれば治っていた。
別府へ旅立つ前日に10kmのジョギングしたら痛みが出なかったが、さすがに42.195kmも走ることは厳しい。
しかも、良いと予想した気象条件は、最高気温4度!北西の風6m!雪が降ったら間違いなく吹雪だな。


マネージャーの娘が受験生だから今回は一人旅となった。
東京は年末から強い寒気に包まれ、真冬日が連日のようになったが、大分へ出発する朝は暖かい陽射しが出ていた。

大分空港に到着。歴史ある「別大マラソン」。
3900人ほどしか参加者はいないが、基準タイムをクリアーしたランナー達のみの大会。
盛大にお迎えして頂いた。


ご当地ランチで胃袋を満たす。
ご飯は大盛りだよ。


暖かそうな風景だが。。。


海岸線の国道を走るリムジンバスからの車窓には、バタバタと激しく激しくなびく幟が見たくもないほどに痛い!
陽射しがあるのに雨も降ってるぜ。時々吹雪が舞ってるし。


30年前もこんな天気だったかな。
高知県宿毛の港から大分県佐伯に上陸し、九州横断サイクリングの出発点になった別府。

桜も咲き始めた春だというのに冷たい雨が降っていた。



別府に到着し、海抜0m地点から湯布院へ向かう峠道では、強烈な冷たい向かい風がペダルを回す気力を失わせ、上り坂では何度も自転車を押して歩いたっけ。
小雪が激しく舞っていたやまなみハイウェイ


車内は暖房も程よく効いて暖かい。
もちろん風は全く感じない。
なんて楽な移動手段なんだ。
なんで自転車で九州まで走ったんだろう。
苦しみしかないのか、マラソンは。
怪我をして治してまた怪我をして。
でも強くなれる。強くなれた。
自転車もマラソンも自分を弱くしたとは思っていない。
人生楽ありゃ苦もあるさ!
過去の思い出に酔っていたら、空港リムジンバスは大分駅に到着。



無料送迎バスに乗り、受付会場ビーコンプラザに到着。



受付けはカテゴリー別になっている。
左からフルマラソン2時間30分以内のカテゴリー1、2時間55分以内のカテゴリー2、2時間59分59秒以内のカテゴリー3。記録証があれば無条件でエントリー可能。



こちらは3時間30分以内のカテゴリー4。もっとも人数が多く、エントリーは2100人の先着順。


パンフレットに付いていた250円のお食事券2枚を使ってB級グルメを味わう。


2時間10分を切るスーパーランナーから、3時間30分までのランナーの集い。

夜飯は大分駅周辺のインド料理店を検索したが、3軒とも店が変わっていた。
歩き疲れてアーケード街のラーメン屋で味噌ラーメンを食べた。まぁ、飲み屋のラーメンといった味かな。


物足りなかったので、コンビニで缶ビール1本買って寝つきを良くした。


無料サービス朝食を7時頃に軽く食べた。
たいしたものがなく、家から持ってきたバナナを食べたよ。ガチで走れないのでカメさん帽子♪


窓の外は雪が舞ってたよ。
曇り最高気温2度の予報!しかも西からの強風も!
時々晴れ間も出てるので救いかな。

スタート時間まで館内で時間を潰す。アイスは冬が一番美味しい!



捨ててもいいジャージとジャンパーを着て軽くアップ。


寒すぎ!



アキレス腱は違和感もなくアップ終了。シューズは長距離練習用のスカイセンサー
スタート位置は申告タイムでなく、記録証を提出した持ちタイム順に振られたゼッケン番号の列に並ぶ。
5分前にジャージとジャンパーを脱ぎ、係のおじさんが持っていたゴミ袋に捨てた。今まで暖めてくれてありがとう。
号砲が鳴ってうみたまごをスタート!
ロスは数秒かな。
アキレス腱の具合をみながら距離を刻む。
冷たい向かい風を受けながらもラップを重ねる。
次第にアキレス腱がズキズキし始めた。
痛みが出たら即中止する予定だった。
海沿いの国道10号線はフラットで走りやすいが、カーブでかなりバンクしていて着地の度に負担がきた。
呼吸も脚もまだ楽な状態だったけど、4分30秒ラップの練習ペースを守った。
バンクがまたやってきて、アキレス腱がミシミシ言ってる感じで、いつ切れても不思議じゃない気がした。
倒れたら後続のランナーに迷惑かけるから、なるべく道路の端を走った。
折り返しまでの10kmは凄まじい向かい風だったが、意外と無難に走り切れた。10kmの折り返しからは強烈な追い風が背中を押してくれて、本当に楽に走れたよ。
カメさん頑張れ!!声援もたくさん受けて、アキレス腱のズキズキ感も少し和らぎ、ひょっとしたら完走できるかも?って欲が出たが、28km辺りからズキズキ感が増して万事休す。

走行記録

https://go-wellness.epson.com/neo-run/user/view/shareWorkout.html?shareId=702081029544571200000000000



30km地点を通過し、コースに一礼してゼッケンを外した。
ここからゴール会場まで近いという理由でリタイヤしたが、着替える荷物がある体育館までの道のりは、気温4度の冷たい空気にさらされて、アキレス腱の痛さよりも寒さが辛かった。


大分駅から徒歩5分の「あたみ」


かなり痛みが強かったが、熱い温泉に浸かりマッサージしたら、なんとか普通に歩けたよ。

夜は大分駅でまた鶏。笑


確実に氷点下の空気に包まれたイルミネーションは美しく見えたよ。



翌日は別府温泉巡り。
大分駅より電車に乗り、しばらくすると波しぶきが激しい広大な別府湾とうみたまごが見えた。
別府駅に到着。


日本国内の源泉の一割がこの狭い別府にコンコンと湧いているという凄さ。



スマホでレンタルサイクルを検索すると、なんと!みどりの窓口で取り扱っていた。しかも電動自転車が一台だけ貸出可能だという。
とりあえず近場の竹瓦温泉へ。

源泉掛け流しだから熱い熱い!!
脚を揉み解して何度も入ったり出たり。

電動自転車を借りれたから山の温泉へ行ってみた。
距離は10km切る程度だが、延々と続く急坂だったので、あっという間に電池残量が40%になってしまった。
30年前は荷物一杯詰め込んだ重たい登山用のザックを背負い、ロードレーサーのペダルを漕いでこの坂を進んだっけ。スポークは2回も折れたな(笑)
少し道に迷ったが到着。


今にもマグマが噴き出てきそうな轟音!

平日だったからか、山の上だったからか貸切状態!

粉雪が絶え間なく振り落ちる白湯に浸かり、見上げれば真っ青な空が見える。晴れているのに雪が舞う。ここは別府なのかと疑ってしまう寒さ!!
数年に一度あるかの厳しい寒波だという。自転車旅行したときも寒く、別府からの山越えで雪が舞っていたかな。
硫黄臭が漂う乳白色の温泉で温まり・・・ではなく、源泉掛け流しだから熱いのなんのって!!
5分くらい入っては出るの繰り返しで1時間弱で後にしたよ。
バッテリーが空っぽになる恐怖心からこれ以上の山上りは避けて、来た道を少し遠回りしてもう一軒の温泉に浸かった。

ここも熱い源泉掛け流し。当然だろー(笑)。あちこちに温泉が湧いているんだし。
30年前と変わらない雰囲気。あの頃は当たり前だが若かった!腹も出てなかった(笑)。
まさか30年後にマラソン大会で再び訪れるとは夢にも思ってなかったね。
周到に準備していても全てが上手くいかないこともある。仕方がない。
黒ずんだ天井を凝視しつつ、小雪が舞うやまなみハイウエイを西へと走った過去の自分と重ねてみる。
何故に自転車で長崎まで走ったのだろう。何故にマラソンなんてやっているのだろうね。
残量0%になった重たい自転車を漕いで別府駅に到着し返却。


次の電車まで時間があったのでおやつタイム。


硫黄臭い体で満席の飛行機に乗れば2泊3日の旅の終わりだ。
周りには同じ別大を走ったランナー多数。

大会を振り返って。
事前受付から大会終了まで、全くストレスを感じさせない大会だった。さすがエリートランナーの祭典。
正に少数精鋭。日々の鍛練の結果、この地に立てたランナー達のみの大会。
万全な状態でスタートラインには立てなかったが、真のアスリートの祭典の素晴らしい雰囲気を味わえた。
30年経過した別府の記憶を頼りにオーバーラップさせたが、チャレンジ精神だけは変わらず、だな(笑)。
テーピングで足首を固定してゆっくジョギングすれば良かったが、無計画で猪突猛進な性格は相変わらず。
青空は見えるが雪が舞うとんでもない天候だったが、強烈な追い風の恩恵を受けて30kmまでなんとか辿り着いた。気温4℃という寒さも、雲が晴れれば陽射しが降り注ぐし寒さは感じなかった。むしろアームウォーマーを外している時間が長かったかな。
来年はカテゴリー2にエントリーできるよう、51歳ではあるが更にチャレンジしてみるか!

その後、アキレス腱の痛みはすぐに引けたが、再び練習を再開してしまい再発。マラソンの神様が完治するまで走るな!って言うので、お散歩もせずに中1週間休んだらやっと完治してくれた(笑)。

次は4回目の参加となる静岡マラソン。この大会はいつもベスト更新を狙うつもりでエントリーしていたが、ろくな目に遭っていない(爆)。
とりあえず3大会ぶりの完走を目指そう!