柴又ウルトラマラソン 100km 2016

去年、初めてウルトラマラソンを走った柴又。手数料合計のエントリー費は2万3千円と高く、都内開催とはいえども、自宅からは始発でも間に合わない。前泊する宿泊費と食事代も上乗せされれば3万円は超える。
そんな大会にエントリーしてしまい、72kmでリタイヤし完走メダルも無いまま、預けた荷物を受け取りに電車に乗って会場へ向かった。日が暮れた帝釈天の商店街ですれ違うランナーの首には、誇らしげに完走メダルが輝いていた。
そして、痛む脚を引きづりながらゴールで賑わう会場の風景を見たのさ。あの屈辱は忘れない。
必ず完走メダルを首に掲げてやる。そんな強い思いを胸に、伊豆大島ウルトラマラソンを完走!100kmマラソンなんて楽勝だぜ!!的な慢心200%でスタートラインに立っていたよ。

一週間前は気温25度を超える黒部名水マラソンで3時間10分という、自分自身ではありえないタイムを叩き出してしまった。というか、次週に100kmマラソンを控えているのをすっかり忘れていたのかもしれないのだが。
「大丈夫。柴又は梅雨空満載で曇り時々雨だから!」と、独り言のように呟いていた。
名水マラソン後は全く走らず、ただひたすら休養し、食事は毎日のようにお雑煮を食べていた。



前日の天気予報は雨のち曇り!神は我に味方した!!
マネージャーと新宿高島屋のトラジで焼き肉を頬張りながら、完走は楽勝だぜ!豪快に高笑いしていたよ。
サブ9やってやる!!ぐあぁー!!!
※サブ9とは、100kmを9時間以内で完走する意味です。


「ふん。そんなにウルトラマラソンは甘いもんじゃないぜよ。ふふっ」


「わかってますよ!ははっ」てな会話で溢れていたな(笑)




今年は松戸駅前のビジネスホテルで宿泊。空調が良くなく寝付けなかったが、なんとか4時間は寝れたかな。
翌朝は寝不足気味だったけど、疲労感はなかった。小雨が降る中、会場へと歩く脚は軽かった。
空はどんよりと曇り、しきりに雨粒が降り注ぐ。去年と同じ天気だ。
熊本マラソンの景品で貰ったカッパを着てスタート位置へ向かったが、どこかでサングラスを落としてしまった。
あちこち探したが見当たらない。どうせ晴れないから大丈夫だろう。
地味に静かな号砲が鳴りスタート!

目標タイムは折り返し50km地点を4時間10分で通過。ペースは1km5分とした。
大島と仙台で見かけたトウモロコシさんの後方にくっつき引っ張って貰おうとした。
1時間もしないうちに雨が上がったようだ。単調でつまらない江戸川の風景。多摩川よりは川幅も広く水量は豊富だ。土手も多摩川よりは高いので、土手下から土手上に上がる坂道も長い。

二週連続のカメさんポーズ!


途中に何度もある未舗装路も、走りやすい場所を見つけて足首を労わりながら通過した。
30kmラップは2時間27分56秒。目標タイムより2分以上早く通過。モロコシさんのペースが早いんだよね。さすが大島を9時間で走った健脚。
徐々に雲が薄くなり、なんと!真夏の太陽が雲間から顔を出し始めた10時前(汗)
雨雲は何処へ行ったんだ!!
次第に体温が上昇し若干ペースは落ちたが、それでも40kmラップは3時間18分31秒。
大粒の汗が滴り落ち、真夏の太陽が路面を照らして眩しかった。サングラスが恋しかったぜ。


ペースがどんどん落ち始めた50kmラップは4時間16分54秒。
エイドで脚を止めないことを目標にしたが、暑さで猛烈に体力が消耗してしまった。ガチで走った黒部マラソンを悔やんだよ(爆)
水分補給とトイレだけ済ませエイドステーションを後にする。
エイドは3km前後にあるのだが、日陰が全くないサイクリングロードで3kmは長すぎる。一旦立ち止まってしまうと、脚が根を張ったようになり動けない。頭から水を浴びても焼け石に水(笑)
ウェストポーチにはたくさんジェルを入れたが、殆ど飲まなかったよ。


アミノバイタルがエイドステーションで支給されるのと、補給食も充実しているのでお腹は空かなかった。
塩大福やお饅頭もあって胃がムカムカすることはなかった。
スポーツドリンクがあまり甘くなかったな。もっとコーラを置けば良いと感じたよ。

去年痛めた62km地点を無難に通過。ペースはかなり落ちたが、まだキロ6分台を保っていた。
着地の度に右足の小指が痛くなった。シューズの幅が狭く当たりが出てしまったようだ。


シューズは大島を完走したホカか、アシックスのスカイセンサーか迷った。二週連続の大会なので、脚を労わるためにホカを選択したが、幅広のスカイセンサーでも良かったかもしれない。なにしろ小指が痛い。

リタイヤした71km地点のエイドで休憩!!6時間39分14秒。
もう無理!!
身体が沸騰しそうな状態(爆発)
意識がなくなりそうな熱中症
何度も水を全身にぶっ掛けて覚醒させる。
大島で知り合ったウルトラの女王に追いつかれてしまった(笑)
50km地点では恐らく4kmの差だったから、このペースだといつかは追い抜かれると思っていたよ。
野辺山100kmウルトラマラソンを走り、二週間後に柴又100kmを走ってしまうなんて驚愕です!!
爽やかな笑顔で駆け抜けていったよ。
80km地点は7時間51分50秒。残り20km切ったと言っても、歩くよりは少し早いペースまで激落ち。
着地の度に指の付け根が痛み、5分歩いて1km走ることを繰り返した。
10時間切は諦めた(笑)


ゴールが遠い。約3km先にあるエイドステーションが遠すぎる。
ランニング仲間が一緒に走ってくれたが、1km走るのが精いっぱい。走るというか歩いている感じ。


60kmウルトラマラソンを初めてエントリーした彼女の背中は、この炎天下の中で逞しく見えたよ。
90kmを9時間22分29秒。残り10km。歩いても2時間30分かな。小指と足裏だけが痛い状態だったので、無理しなければ確実に完走できると感じたよ。
カメさん帽子に蓄えられた水分で熱中症は防げた。マネージャーありがとう。
ラップタイムを計測する青いマットを力強く踏み込み、まだ走っているからゴールで待ってろ!
100m進むのも辛く、多くのランナーに抜かれた。序盤の勢いはどこへ行った?完走は楽勝!なんて豪語していたよね。
完走出来れば良いという考えが甘くしたのか。タイムはどうでもよいのか。最後ぐらいまともに走ったらどうだ。
残り2kmになり、遠くにゴールで賑わう会場がぼんやりと見えた。
やる気スウィッチが入ったようだ。ようやくジョギングペースで走り始めたら、正面からマネージャーのキャンキャン声援が聞こえたよ!!
「もうやだ!柴又は二度と走らない!大っ嫌いだ!!」って叫びながら併走したよ(笑)

そして、異様に長く感じた100km地点に到着


なんとか11時間以内でゴールできた。





ゴール後は置いてあったパイプ椅子に座って放心状態。
荷物を受け取りに立ち上がると、生まれたばかりのキリンのように両脚が震えて歩けなかったよ。
筋肉痛と足裏の痛みだけでゴールできた100km。膝も足首も痛くない。強くなったもんだ。まっすぐ歩けないけどね。
重たい荷物を背負い、首からは誇らしげに完走メダルがぶら下がっている。
土手に上がってゴールで賑やかな会場を見下ろす。もう、ここに来ることはないだろう。みなさん、ナイスラン!
さらば柴又!!
マネージャーからの完走祝い♪

夜飯は金町でスパゲティとケーキは控えめ。さすがに内臓疲労が酷く食欲がなかった。ビールも飲まなかったよ。


大会を振り返って。
単調な江戸川の河川敷をひたすら走るコース設定だが、少しの区間だけ対岸を走るコースに変更されていた。
橋を渡る時に見た雄大な江戸川の風景と、川上から吹き付けるひんやりとした風が心地よかった。
と言っても、超単調なつまらない風景が延々と続き、沿道の声援も殆どない。正に修行だ。
陽射しを遮るものは雲しかない過酷なコース設定には変わらない。
気温が30度こそ越えなかったが、もう少しエイドの間隔を短くしたらどうだろうか。
去年と比較して補給食は充実していたような気がする。被り水やホースシャワーは本当に有難かった。
一部区間の未舗装路は今年もあった。後半の疲れに伴って、足首を捻らずにゴールできて良かったよ。
今年から景品がTシャツになった。紫色のシブいTシャツで、珍しいから一目で柴又ウルトラマラソンのTシャツだと分かるよね。
ランナーズアップデートも小刻みだから、応援に駆け付ける人にとっては重宝するね。
無料の写真サービスはエントリー費が高額だから当然かな。その日の夜には無料でダウンロード可能だ。

気温が低ければ間違いなく記録が狙える大会だが、晴れてしまうととても危険な大会。天国か地獄かは走ってみないと分からない。そこが面白いのかな。
来年は50歳目前だし、身体を労わることと観光を目的に、飛騨高山ウルトラマラソンにエントリーするよ。
柴又はあまりにも厳しすぎる。五体満足な身体でゴールできて本当に良かったよ。そして、中四日で練習再開!
メロンマラソンが待ち遠しい!