第8回伊豆大島ふれ愛ランニングストーリー

3月29日(土)第8回伊豆大島ふれ愛ランニングストーリーに参加。


今年1月の初フルマラソン後、更なる飛躍を目指し果敢にトレーニングを行ったが、左膝を故障してしまい、まともな練習も出来ず、ようやく3月から練習を再開した。
練習メニューは、太ももの筋トレを重視した。
初めてフルマラソンを走った後、尋常にない筋肉痛が襲い、筋力の弱さと、マラソンは太もものハムストリングスで走るものだと教わった。
走っている時の角度まで膝をピョコピョコ曲げること1日800回以上繰り返した。
そのお蔭で、太ももはかなり逞しく、片足の屈伸運動も、体のバランスが崩れることも無くなった。
ランニングは20kmペースランを3回、30kmペースランは1回試みたが、27km地点で膝が根をあげてダウン。
ペースは、絶好調の時よりもかなり遅くなってしまった。
左膝の炎症が完治せず、こりゃー騙し騙し走るしかないと決意。
過酷なコースで有名な大島マラソン。完走出来るか不安であったが、制限時間が10時間という長さなので、最悪、全部歩いても完走(完歩)する気持ちで出発した。

大島まではジェット船を往復予約。
地元の調布飛行場からも上陸可能だが、自転車で島巡りもしたいので船を使うこととした。

竹芝桟橋までモールトンTSRで走らせる。
AM-20も所有しているが、TSRを選択した理由は、その積載能力の高さに尽きる。コーフーオリジナルキャリアは、重量はあるが、重たく大きな荷物を積んでも、左右上下にしなることなはない。純正キャリアでは、上下には強いが、いかんせんパイプが細く華奢で、重量物を積むと折れてしまう不安がある。
フロントとリアには、いつものようにグーワタナベのオリジナルバッグを装着した。
カメラはFUJIFILM X-Pro1
少し早めに竹芝桟橋に到着。ランナーらしき人達で熱気に溢れていた。
自転車を分解して乗船。
ジェット船は早くて快適。揺れは新幹線並だ。強風により、予定していた元町港ではなく岡田港に接岸。


快晴!眩しいぜよ!!


海岸線を走る。

息も出来ない強風。下り坂にも拘わらず前に進めない!
こんな環境でまともに走れるのか。
しかし、南風なので、序盤の急坂は追い風となると希望的観測が。コースを確認したら、この海岸線でなかったと一安心(笑)

受付会場に到着。
台風による豪雨災害により、甚大な被害を受けてしまい開催が危ぶまれたが、島民の熱意によって開催された。

賑わう受付け会場

前夜祭もあって、その盛り上がりは熱気ムンムンといった感じ。
お楽しみ抽選会は、伊勢海老(2万円相当!)

宿に到着して18時に夕食を始める。

都心で咲き始めた桜も宿の桜は満開だった。

体重は、2月のMAXでは57kgもあり、膝への負担を減らすために3月は苦しみながら減量した。
大好物なスウィーツも控えて、夜は専ら魚と納豆で早めに済ませたことが幸いして、スタート時の体重は53.4kg。ちょっと危険かも(笑)

宿の食事は、海の幸&山の幸でとても美味しく頂いたが、明日のレースに備えて夜食のビールは当然飲まず、ご飯少なめで時間を掛けて咀嚼した。
朝食は逆にご飯のおかわり。

宿から眺める大島の夕焼け。

温泉と露天風呂に入って、自転車で三原山へと夜の道を走らせる。
大島の星空は、都会に住んでて見る星空とは別世界。
デジカメに収めようと思ったが、リレーズを忘れてしまった。
この星空、もう一度見てみたい。つまり、来年もエントリーすることを、この星空を見上げて誓った。

ラソンの部の参加者は約600名。最高齢はなんと85歳のおじいちゃん!
スタート時にはそのおじいちゃんの後ろにいたが、脚の筋肉の盛り上がり様ったら絶句。全国のフルマラソン大会に参加してると言ってた。
100kmと58kmのウルトラマラソンも同日開催しており、こちらは早朝の5時にスタートした。

軽い運動をしながら号砲を待つ。
自転車ではコースの一部分しか走っていないが、自転車でも走るのが酷なあのコース、完走できるか不安が襲う。

スタート地点は船を海に卸す登り坂になっており、号砲が鳴っても延々と登り坂が続く!
急坂でないが、この先標高約400mまで登るなんて想像したくない。しかし、脚を前に運ばない限りゴールはない。
仕事中の人、家事をやってる人、農作業をしている人、皆仕事の手を休めて応援して頂いた。この感謝の気持ちを表すのは完走しかない。

キロ6分を下回らないように体力を温存。
4日間走ってなかったが、以外と呼吸は荒くなく、もっとペースを上げたい気持ち。
アップダウンが延々と続くが、まだ咲いている椿や山桜、断崖絶壁の風景を楽しみ脚も呼吸も軽い。
下り坂はキロ5分を超えないようペースを抑える。この調子で走れば4時間切れる。頑張れ!左膝!!

暫く走ると急な登り坂が。
8kmで300mも登るコースだが、坂よりも強風が大敵となって襲う。
前に進むのが辛い。横殴りの強風で真っ直ぐ走るのが困難。とんでもない絶句きわまりないコース!
地面を這うように走っている姿はまるで修行僧のようだ。

給水については、自作ドリンクをボトルに入れて走っているので、給水時のタイムロスはない。練習で行っていたように、登り坂で飲むと苦しいので、呼吸が楽な下り坂で4kmごとに一口飲んだ。
登り坂で抜かれていったランナー達を、給水のエイド地点で何度も抜き返す。
イチゴのTシャツを着た女性のランナーにも、何度か抜きつ抜かれつして楽しかった。

18km程走るとアップダウンも終わり、この大会名物な急な下り坂になる。
ペースを抑えつつ、太ももに力を入れて膝への負担を減らすつもりが、余りの急坂で、膝を曲げるような走りが出来ず、ジワジワと炎症が進み、25km地点でリタイアの文字が頭に。
左脚を引きづりながらも、島民が暖かいおもてなしをしてくれるエイドに初めて寄った。
引きづって走ってる姿を見て、コールドスプレーの処置をして貰い、暖かい食べ物と美味しい水でパワーアップ!

この大会の性質上、数多くの公・私設エイドがあり、まるで砂漠の中のオアシス!
豊富な食べ物と飲み物が、全国から集まった強者共を癒す。
柏餅、メンチカツ、コロッケ、コカコーラ等、もう盛り沢山(笑)
当然ながらチョコレートも。
チョコレートは、小さいのをラップに包んでウェストポーチに10個入れた。
4kmごとに食べれば、と言うよりも、4km走ったらチョコが食える!って思って。
しかし、そのチョコ。気温が低く、ポーチの中で溶けなかったのは良かったけど、口に入れても溶けない。口で呼吸してるから、体温以下で全く溶けてくれない。仕方ないから噛み砕いて溶かすものの、噛み砕いたチョコが気管に入って酷く咳き込んだ。

かなりペースダウンしたが、リタイアだけは避けたいから、歩くスピードでも良いから前に脚を投げ出す。
エイドを見つけては立ち寄り、最後のエイドでは「愛してるから最後まで頑張って!!」の熱い叫びを浴びペースをアップさせる。ありがとう、おばぁちゃん!!
エイドには、結局4回も寄ってしまった(笑)。つまり、4回も食って飲んだということだ(爆)
一つのエイドに3分から5分寄った。相当なタイムロス。でもいいや。エイドステーションがとっても楽しかった。


格言苦言。

ウルトラマラソンも同日開催なので、この様な看板が随所に掲げられてる。
この看板の力を貰ったのか不思議なことに、35km地点から痛みが無くなり残り3kmでスパート!!
時計でペースを見ると、下り坂であるがキロ5分で走っている。
見えたゴールの元町港を凝視して、今までの痛々しい辛い走りが嘘のような全速力で突っ走る!
抜かれたランナー達をごぼう抜きしてついに念願の完走!!
イチゴちゃんは結局抜けなかったけど。
椿娘にメダルを掛けて頂いた。

ゴールラッシュに沸く会場。

完走証と記念メダル。

今まで参加したマラソン大会の完走証や記録証とはちょっと違う文字が。
「その栄誉を讃えます」
過酷なコースである証しだ。今まで貰った賞状よりも何倍も嬉しい。

そして記念のメダルは「新島ガラス」
新島とイタリアのリパリ島しかない軽石状の鉱物を主原料としている、大変貴重なガラスで作られている。この淡いグリーンは、石に含まれる鉄分、カリ等が発色した天然色のガラスだ。伊豆諸島の豊かな緑を表している。世界的に有名な作家の野田収氏に特別に作って頂いたメダルだ。裏面には大島が描かれている。

ゴール後は、入念にストレッチを行い、予約しておいた海の幸と山の幸が豊富なお弁当と、無料で支給された熱いつくね汁を食べる。

宿に戻り、膝のアイシングをしながら缶ビール1本一気飲み!

疲労回復と、お弁当を食べても腹が減るので、スウィーツとピザを食すためにシャロン洋菓子店へ。

さすがに、最後のチョコレートケーキにはゲップしてしまった。

食ったら走る!って自転車を漕いでネ(笑)
ウルトラマラソンの方がまだ走っているので、マラソンコースを自転車で逆走。
走っている途中でもの凄い景観を見たので、ここだけは写真に収めたかった。



「頑張って!」と声援するものの、自分は自転車だし、自分の立場だとあまり気力が上がらないんだよな。でも、頑張って!とか、あと少し!とか声を掛けた。

約20km程自転車を漕ぎ、少しは腹も減って疲労も回復。
遅めの夕食は、ビールを少し飲み、当たり前だが完食とはならなかった。ごめんなさい。

温泉に浸かり、疲労しきった両脚をマッサージ。
意外にも、酷い筋肉痛や関節痛になっておらず、筋が多少痛い程度。筋力トレーニングが功を奏したのか。階段の登り降りも苦は無かった。

翌朝は生憎の雨。
海が荒れているので、ジェット船は欠航に。桟橋も6km離れた岡田港になってしまった。

TSRは泥除けが装着されているから、雨でも合羽さえ着れば安心だ。
モールトン自転車は、フロントシャフトにグリスがたっぷり入ってるから、泥除けが無いと雨がグリスを洗い流してしまう。泥除けが無いAMー20を出さなくて良かった。

ジェット船が欠航になり、港は島を出る乗船客でごった返す。
大型船で東京まで6時間。しかも、客室は満席なので床に座るようだ。

出航まで時間があるので、お土産と昼食を取る。

大島で有名なべっこう丼。都会では味わうことができない旨さ!!


ようやく大型船が見えて来た。

島民の暖かい見送りに感謝!

乗船しなんとか簡易な椅子を見つけて眠りにつく。
海は荒れて船が前後左右に揺れる。船酔いは経験ないので爆睡。

横浜に到着し、多数が出口へと向かう。殆どの方がランナー。歩き方がやっぱりぎこちないね(笑)
やがて船はレインボーブリッジを通過して、賑やかにライトアップしたお台場や東京タワーが間近に見える。

長かった旅も終わり。ではなく、まだ終わりではない。自転車を漕いで家路へと向かう。

あっと言う間に満開になった都心の桜を見物して、家に到着したのは翌日の午前0時20分頃。

楽しくとてつもなく辛かった旅も終わり。
楽しいだけでは人として進歩しない。何らかの努力の甲斐があってこそ、楽しさや喜びは倍に返ってくるものだ。
この辛さ(修行)を糧として、今後の辛い業務に当るべく、日々精進しなければならない。

最後に。
甚大な災害に遭ったにも拘わらず、多くのランナーのために尽力して頂いた関係者及び島の方々に対して、心から感謝の意を表します。本当に有難う御座いました。
被災地を目の当たりにして、我々は一体何をすることができるか、何をすべきなのか、改めて今後の課題となりました。
家屋の中へと未だに土砂が流れ込んでいるのを見てしまうと、心苦しい限りです。
早急な復旧・復興を望みますと同時に、我々土地家屋調査士としても、何が協力できるか模索している次第です。
また、自分の心の支えになって頂いたランニング仲間にも感謝致します。

勿論、来年も参加します。ふれ愛ランニングストーリーに!